小説晒しチャレンジ

わぎ

自由をモットーに生きる、駄目人間系の大人。 夢を叶えるのに歳は関係ないと証明する為に2018年4月より「ママチャリで東日本一周」を完遂、翌年4月よりARAYAのフェデラルに乗って「西日本一周」をしております。 Twitterは変態さん以外にはキツいかも

今年は小説を一本完成させるという目標の元、とりあえずは自分が書いた文を見られる羞恥心を克服するのだ!!

そのために旅中、雨で動けない時に書いていた小説を晒上げようと思う。

恥ずかしい……恥ずかしい……けど頑張る!!

 

 

本編スタート! (まったくの未完成)

「くっそ、めっちゃ……きっ……つ!!」

国道1号線を外れ、路肩も狭い、交通量も多いと自転車を乗るには最悪の状況の中をただならぬ雰囲気で走る自転車がそこにはあった。
前輪の両サイドには専用の防水バッグが備え付けられて、後輪にはその倍程の大きさがある物が重々しく付けられていた。
本来ロードバイクなどには付けられていないはずの荷台には、背中を覆い隠すほどの大きなリュックと大小さまざまな荷物が積み重なりペダルを漕ぐたびに大きく左右に揺られていた。

「はぁっ……!! んだよ!! くっそっ……!!」

悪態をつきながらも足は止めることなく、傾斜7度近い坂道を走る男もまた異様。

ぼうぼうに生え散らかした髭に怖いほどキラキラ活き活きとした瞳。
服装は柔らかそうなカーゴパンツに迷彩柄が施されたウィンドブレーカーで、お世辞にも「自転車乗りの恰好」とは呼べずパッと見ただけでわかる位に汚れ、ほのかに異臭も放っていた。

路肩の白線の上を走っていても大きく車道にはみ出した荷物と、今にも倒れてきそうな動きに車は腫物から避けるように大きく膨らみながら、迷惑そうに自転車の男を山道へと置き去りにして走り去っていく。

「あー、はぁっ、はぁっ、すいませんね~」

男は遠ざかっていく車一台一台に聞こえるわけでもないのに謝罪する。
そして車が通らなくなると何にでもなく悪態を再びつき始める。

そうして1時間ほどだろうか。
痙攣し始めた足をすっと地面につけて、男は目の前の光景に複雑な表情を浮かべる。

『この先、自転車、歩行者通行禁止』

咄嗟に携帯を開き、地図アプリを確認する。
どうやら目の前にある忌々しい看板が置かれた道を数百メートル進み、トンネルを抜ければもう今日の目的地まで下り坂のようだ。
葛藤するようにその場で表情を二転三転させたのち、男は苦労して登ってきた坂を颯爽と気持ちよさげに下って行った。

【 第一章 荷物は少ないほうが良い 】

キキッーと耳障りなブレーキ音を立てて歩道を塞ぐように青いランドナーが止まる。

「くっそ、書いてんじゃねーかよ」

男は【この先、自転車、歩行者通行禁止有り】の看板を憎らし気に睨んだあと、子供のような笑顔で笑った。
携帯アプリをその場で開き、この先どうやって進もうか考えているのだがその異様な自転車に衝撃が走る。

「あのーーーー!!」

「うわっ、あっ、すいません!」

急に後ろから怒りの感情を露わにした声が響き、男は申し訳なさそうにつま先で自転車を動かす。
ゆっくりと進みながらも頭を下げ後ろを振り向くと地元の学校の制服だと思われるものに身を包んだ女子学生が3人居た。

(えっ、何きもー)
(日本一周だってー)
(うける~)

見飽きた反応に男はそれでもペコペコと謝罪をしてゆっくりと周りを見渡しながら走っていった。

「ねーねー、見た!? なんかすっごくなかった?」

面白そうな見世物が急に目の前に現れたかのようにはしゃぎだす2人とは対照的に1人は携帯で男の後ろ姿を追っていた。

「日本一周中だって、なにあの看板!! お金でも欲しいんでしょ~」

「絶対そだよ! 見た目もやばかったし、日本一周ってかホームレスじゃね?」

「言えてる~、って茜? 携帯見てないであいつ見てよ~」

「見た」

「ふう~ん? その割に反応薄くない?」

「これ」

茜と呼ばれた少女の携帯には、先ほど道を塞いでいた男の看板に書かれていたQRコードの読み取り先。
ツイッターの画面がそこにあった。

「えっ、日本一周しながらツイッターとかやってるって電気盗んでるんじゃない?」

「でも最近マックでもコンビニでも充電できるしそれでなんとかなるんじゃない?」

「たしかに」

いまだに熱が冷めやらない様子で笑いながら話す2人をよそに、茜は男のツイッターをひたすら見ていた。

ころころころころ……

「すいませーん」

男の足元に転がってきた、みかんの形をしたボール。
それを拾い上げると優しく掬い上げるように目の前の男の子に投げてやる。
子供はあたふたしながらもなんとかそれをキャッチしてうれしそうに遊びへと戻っていった。

「今日はここだな」

男は独り言をつぶやくと手慣れた動きで、自転車から荷物を降ろして近くのベンチに集めていく。
そこは住宅街に囲まれた公園で、小さいグラウンドと遊具が併設された公園だった。
荷物を運び終えると何をするでもなくボッーとイチョウの木を眺めたり、地面の虫を眺めたりして時間を過ごしていた。

日も暮れ始めた頃、町内放送で聞きなれた18時の音楽が鳴ると子供たちが少しづつ公園から居なくなる。
最後の一人が帰ると男の動きは早かった。
事前に予想していた通り、人目が付きにくい遊具の影になる場所へ荷物をドンドンと移動する。
次にテント用のシートを張り、骨組みを組み合わせるだけで形になるテントを完成させていく。
終わったら最初にマットを中に敷いて、ありったけの荷物をテントの中に押し込める。
最後に公園の看板を再度確認して、都合が悪い事が書いてないのを見て満足気に頷いた後、入口の駐輪場に置いた自転車をわざわざ手で押してテントのすぐ脇に置き、鍵をかけた。
しかし簡易的に完成するテントだけあって、その大きさは大人一人分。
荷物を詰め込んだら大人は窮屈にしながらじゃないと入れないほどの狭さである。

しかし男は慣れたもので、目の前の狭さを気にせずテントへ入ろうとしたとき……。

「あの~」

「はいっ!!??」

お尻だけがテントから出た状態で突然声をかけられたものだから、男は裏返った声で返事をしてしまう。
恥ずかしそうに頭を掻きながらテントからもぞもぞと出てくると目の前の光景にクエスチョンマークを浮かべた。
高校のものと思われる制服に膝上まで折られた短いスカートからは細すぎる足が覗いていた。
顔は化粧はしていないんだろうが、それでも可愛らしさがしっかりとある綺麗な二重瞼のパッチリとした茶色を含んだ黒目。
その綺麗な瞳を肩よりも伸ばしてさらさらとした黒髪が、風に揺られて隠していた。

「え、と……凸者さんですか?」

彼の旅に時々、それも結構稀に現れるツイッターなどを見て現れる凸者さん。
しかし今まで若々しい女性などは来た試しがなく、内心は明らかに違うだろうと思いながらも表情を伺う。

「なにそれ?」

訝し気にこちらを見る表情は、少なくとも好意的には見えない。

「えっと、もしかしてここの公園ってテント禁止でした?」

「知らない」

若干食い気味の返事に男も思わず表情を凍らせてしまう。
じゃあ一体何のために話しかけてきたんだと頭の中で様々な理由をシミュレーションするが、どれも違うような気がして段々と目の前に立つ女子高生が邪魔に思えてくる。

「んー、用事がないなら寝ちゃいますね。今日いっぱい走って疲れてるんですよ」

「日本一周って楽しい?」

こっちの言葉を一切無視して、少女は携帯画面を押し付けながら切羽詰まったような空気を出している。
男が携帯電話をのぞき込むと、自分のツイッターのページが表示されていた。

「あっ、もしかして看板のQRコード見てきてくれた感じですか! ありがとうございます」

もう何度も言った言葉がロボットのように口から勝手にこぼれてくる。

「はい。それで日本一周って楽しいんですか?」

楽しい……。
自分の旅をふっと思い出してみると、過去の物はさておき今回の旅に関しては”大きな”トラブルもなく
割と楽しいものだったと心から言えるがそれはあくまで「旅人視点」での話だ。
もし日本一周ってのに彼女が興味を持っているなら……。

「いやめっちゃキツイことばっかりだね!! 楽しい事もやっぱりあるから辞められないんだけど、人には見せられない辛いことが8割。胸を張って楽しいと声をあげるような出来事って旅の中じゃ2割もないんじゃないかなって、俺は思うな」

旅の辛さをしっかりと伝えた言葉を選んだはずだった。
だが少女から見た男性の顔が辛そうな事なんて何一つもなかったんじゃないかと言う程に輝いて見えた。
日焼けした顔にぼっさぼさの頭。服からは男子の下駄箱からする匂いよりも強烈なものが香る。
それでも、どうしてだろうか。

『彼は私の知ってる誰よりも、生きている』

なんの確信もない。
今の日本人としては明らかに異質な不衛生な見た目、荷物すらボロボロでホームレスみたい。
そんなダメな点ばかりが目に付くはずなのに、まぶしいほどに輝いて生きていると思えた。

「ふぅーん、じゃああたしを連れて行ってよ。……ゆうひ?」

男はツイッターの名前で呼ばれてるのが少しむず痒いのか、ニヒルな口をしながら目は真剣だった。
逆に少女は名前としては呼びにくい名前で首をかしげていた。

「君はどれくらい俺のツイッターを見たかは知らないけど、本当に辛いことばかりだし、君まだ女子高生だろ?」

そこまで言って男はふっと考える。
昨今の旅人は様々なSNSを使って互いに情報交換などを盛んにおこなっている。
その中には中学生の旅人や、高校生の旅人、更には80代の旅人なんかもたくさんいる。

「あー、悪い。今のなし! 金とか結構かかるし、移動手段もないっしょ?」

「原付持ってる。お金もちょっとくらいあるし」

「ちょっとじゃ旅ができないくらい君でもわかるっしょ? 旅をしながら稼ぐ事もできるけど、何か技術とかないと難しいよ?」

「じゃあ……」

少女は周囲を警戒するように見渡して、大きくつばを飲み込む。
ただならぬ雰囲気に夕陽まで背筋を伸ばして次の言葉を待つ。

「あたし買う? 今なら処女もセットで5万円でいーよ」

パッと街頭の明かりがついて、冷たい風が頬を撫でていく。
ありふれた景色の中、公園の景色には似つかわしくないテントといかにもな小汚い旅人。
一緒に居るのは違和感しかない綺麗な黒髪の女子高生。

「は?」

その中でも一番混沌の中に居たのは間違いなく夕陽だった。
あたしを買う……? あれか、ひと昔前に流行った援助交際ってやつか?
理解できない状況に動揺を隠せず、無意識にポケットのたばこに手を伸ばして青いベンチに座り込む。

「えーっと、もういっかい言わなきゃだめ?」

「いや、言わなくていい」

目の前に女子高生がいることを気にする余裕もないままにたばこの火をつける。

「たばこ、吸うんだ。旅人ってそんなイメージなかったなぁ」

「旅人についてどれくらいのことを知ってるかは知らんが、そんな綺麗なもんじゃねーよ」

旅人用のキャラクター作りを放棄して、素の自分で対応してしまう。
なんと言ったらいいのか。というか何から話せばいいのか……。

「まずは、あれだ。その金は旅用なの?」

「だってお金いるって言うじゃん」

「マジで日本一周すんの?」

「決めたの!!」

「原付で、かぁ……学校とか家とか家族とか……」

色々と口から言葉が零れてきそうになるのを思わず止める。
自分が旅に出るときに何度も同じ言葉をかけられて嫌気がさしたのを今でも覚えてる。
笑うやつもいれば、出来ないとあざ笑うやつ。心配をしまくる人。
沢山の言葉をもらったがその9割は「そんな事はやめろ」だった。

旅人となった今俺が言うべきことはもっと別なことだろ!

「旅ってのは見てわかる通り不潔で泥臭い生活で一般人から見たらホームレスと何ら変わりがない
それでも何か理由があって日本一周をしたいってなら俺は止めないし応援する」

「え、ほんとに?」

不安そうだった少女の表情に光が灯った気がした。
だがそれは何度か見たことがある、一瞬の、何かに縋りつけたとでも言いたげな儚い光に見えた。

「だけど俺の旅に着いてくるとかはだめだ」

「え、どうして?」

「俺の旅は俺の旅、お前にはお前の旅がある」

「そんな事、今言われてもわかんないし……こんな少女一人で行けなんてひどいこと言うの?」

こいつ、自分の強みをわかっていやがる。
かと言ってここで俺の旅に着いてきた所で楽しさがあるかわからないし、何より……。

自転車と原付では動ける一日の”距離”があまりに違いすぎる。

「……わかった。どうしてもって話なら慣れるまでは一緒に旅をしてやる」

「ほんと!?」

「ただし、明日の朝7時には俺はここを出るからそれまでに準備が出来たらだ」

「明日の7時まで……」

顔に諦めの色が見えたところで、一気に畳みかける。

「もし来たら、話通りお前を買う。それも覚悟しておけ」

自分で言っておきながら、なんてことを言ってるんだと恥ずかしくなる気持ちをぐっと抑えて少女を見つめる。
そう、今までも中学生や高校生、高校を卒業したてて日本一周やら海外やらに旅に出た人間を何人も知っている。
しかしほとんどの奴らは途中で諦めたり、先延ばしにしたり、中断を余儀なくされた。

それは経済面もあるが、社会人経験という過酷な時間を過ごしたかどうかが大事だと思っていた。

ならばここで多少傷つけてしまおうが、行かない方向に経験者として持っていくのが良いに決まっている。

(挫折は癖にもなる、その鈍い痛みは一生ついてまわるからな)

「あとは必要なものとして、寝袋、テント、衣服最低2日分から4日分。料理はある程度こっちで受け持つから
洗える箸とかフォーク、スプーンなんかと100均にある紙の皿、あとは充電器関係と原付のメンテ道具を明日
7時までに揃えてもってこい。個人的に必要だと思うものは最低限なら持ってきても大丈夫だろう」

矢継ぎ早に必要なものを伝える。
携帯にメモっているのか必死に指を動かしている姿に、微笑ましさを感じつつも危険性も感じる。
これで通報とか友達との遊びだったとかならさすがに俺も傷つくな……。

「じゃあ、明日7時まで待ってるな」

「……う、うん……」

最初の威勢は消え去りその場に立ち止まり携帯とにらめっこする少女を尻目に靴を脱ぎ捨ててテントに潜り込む。
チャックを閉めて寝る前に、顔だけにょっと出して少女を見る。

「おやすみ」

一瞬、何を言われたかわからないように目をまんまるにして、引き攣った笑顔で少女は答えた。

「おやすみ、明日からよろしくねっ」

「んん~、今日も良い天気になりそうだな」

テントからもぞもぞとはい出てきた夕陽は、裸足のまま地面の感触を楽しむように数歩歩いて靴を履く。
周りに誰も居ないことを一応確認してからポケットからメンソールのたばこを取り出した。
コンビニに置いてある安っぽいライターで火をつけ、すぐそばのベンチに座り携帯灰皿片手に煙を空に吐き出す。

「この瞬間が最高なんだわぁ……ふぅ~」

寝不足な頭にじんわりとした芯が通っていく感覚を覚えると同時に、睡眠妨害少女を思い出す。
考えてばかりいても物事は好転するわけでもないし、とりあえず動くべきなのはわかっているが腰が重い。
公園で汲んだ水をゆっくりと口に流し込んでもう一本たばこに火をつけようとして躊躇する。

「ねー、テントあるよー」

「本当だねー」

親子連れが公園を散歩といった雰囲気で歩いて入ってきた。
母親と目が合い軽く会釈をして、取り出したたばこをズボンのポケットにねじ込む。
少し困惑した表情で返してくれた母親は遠くを選ぶように歩いて子供と一緒に住宅街へと消えていく。

特に悪い気がするわけじゃないが、胸の奥で何かがじんわりと広がる。
適当な言葉を探すなら……焦燥感。
そこから行動に移すまでは一瞬で、慣れた手つきでテントの中から荷物を取り出しベンチに並べる。
テントは簡易式の物で朝露を使い古されたタオルで拭くと3分もしないうちに40cmほどの袋に収納された。

「さて、どうしたもんかねぇ」

余り人との接点はない。
むしろ持たないように心がけていたような気もする今回の旅。

気づけば朝から数えて4本目のたばこを携帯灰皿に押し込めて、携帯の時間を何度目か眺める。
以前の旅で撮影した愛知県にある惹かれた神社の背景から浮き出るように6時30分とデジタルな数字が並ぶ。
さすがに1日じゃとても準備できないだろうことを言ったら来ないだろうことはわかっている。
だけどここで逃げるように時間より先に旅立つのは、何か嫌な気分になりそうだと確信があった。

既に重過ぎる荷物を載せられて、出発を今か今かと待ちわびる自転車。
その周りに忘れ物は無いかと最後のチェックをするが、めぼしいごみもなくすぐにでも出発できそうだ。
小さな公園とは言え、7時前には数人の子供が集まって遊んだり、近所の老人たちが集まってラジオ体操やゲートボールに
勤しむ可能性は十分にある。
出来ればそうなる前に出発してしまいたいが……。

6時55分

「そろそろ、出る準備をするか」

今すぐにでも出られる状況だが、ふっと思いだした水筒の水くみ。
流行りの捻り続けないと水が出ないタイプの蛇口を回して水筒いっぱいに水を入れる。

自転車に干されたタオルで手を拭いて、携帯の時間を確認してサドルに跨る。

まぁこんなもんかとほんの少し、残念な事をしたなーと思いつつも地面を蹴りだして公園を立ち去る。

名残惜し気に公園の入り口で携帯を開いて今日の予定を確認する。
とは言ったものも、昨日はあんなことがあったので一日の予定なんか考えている余裕もなかった。
強いて言えばこれから向かうべき道は昨日の坂道を使わずに南の県に進む、それぐらいだ。

ふっと心の奥で何かが吹っ切れて前に進む心構えになる。

「まってええええええええぇぇぇぇ!!」

あんなに話をする相手なんて旅の生活の中ではそうそうあるもんじゃないから、声は覚えている。
ピンッと張ったばかりの糸が瞬時に緩む感覚を覚えて、心の中で舌打ちをして後ろを振り向く。

水色のスクーターに頭の上まで突き出てる大きなリュックとなぜか両手にはパンパンに膨らんだトートバックをぶら下げて。
手を振ろうとしているのか、左手を上げようとするが荷物の重さで上がらないのか手首だけ必死に手を動かしているのが
見ていてなんか申し訳ない気持ちになってしまう。

申し訳ない気持ちが胸の中いっぱいになったので、夕陽は前を向いて自転車を目いっぱい漕ぎ始めた。

「ええええええええ!? 止まってよおおおおおぉぉぉ」

絶叫じみた甲高い声が耳に痛いくらい響いて、仕方なく足を止めてトロトロと走るスクーターを待つ。

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